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【お豆通信】vol.75 神輿が主役の祇園祭 

2020.07.15

やって来ました7月。
そして祇園祭。

京都の街の真ん中に、山や鉾が立ち並び、17日の巡行を前に今日は宵々山です。

 

 

と、例年ならば言えたのですが、早々にニュースなどで「祇園祭中止」と伝えられましたので、皆さまご承知の事と思います。

 

今年は、鉾が建つ事もなく、会社やお店が並ぶ普通の街の風景になっています。

 

ただ、私が見た全国ニュースで「祇園祭中止」と伝えられていましたが、正確には少し違います。

 

祇園祭は、山鉾が建って巡行して終わりだと思っておられる方が多いので、そこだけを見れば確かに中止です。
しかし、他にも様々な神事があり、7月の1ヶ月を通して祇園祭が行われます。
その中で、多くの人出が予想される、山鉾巡行や、お迎え提灯、神輿渡御、花傘巡行などが今年は中止になりました。

 

それ以外のあまり人目に触れない神事について、又はそのように工夫を凝らして八坂神社などで、今日も行われています。
そうそう、山鉾ばかりが注目されてしまう祇園祭ですが、そもそも八坂神社のご本尊に疫病退散を願う祭礼なのです。

 

 

他府県の方は、ご存知ない方も多いでしょうし、祇園祭と八坂神社が結びつかないのも理解できます。

山鉾巡行の起点となるのは、八坂神社からは鴨川も挟んで1キロ近く離れていますし、巡行のルートからも離れていますから。

 

 

 

それと、もう一つが名称です。

極々簡単に言ってしまえば、祇園社が八坂神社に名称を改めたので、分かり難くなってしまっているのです。

 

ですが、今でも地元では、「八坂さん」と呼ぶだけでなく、「祇園さん」とも呼んでいます。

 

それと、山鉾巡行の起点ですが、ここには八坂神社の御旅所があるのです。

 

この御旅所に三基の神輿で御神霊をお迎えする前と、八坂神社にお帰りいただく前にお清めの意味で行われるのが、皆さまご存知の山鉾巡行なのです。

 

 

中でも、17日に行われる巡行は、長年に渡りほぼ途切れることなく行われてきましたので、祇園祭の代名詞となりました。

 

さてこれで、神輿が主役だったことをご理解いただけたでしょう。

 

しかし、残念ながら今年は神輿も出ません。

 

ですが、せっかくですので、もう少しお話を続けてまいります。

 

 

神輿については、先ず神輿洗が行われます。

八坂神社の舞殿に三基の神輿を据えて、中御座と呼ばれる一基を四条大橋まで担いで行き、清めの儀式を行います。

その後、八坂神社に戻って飾りつけをして、御神霊をうつす15日の宵宮祭に備えます。

 

 

神輿は、中御座、東御座、西御座の三基があり、それぞれに、素戔嗚尊(すさのおのみこと)、その御后・櫛稲田姫命(くしいなだひめのみこと)、その子・八柱御子神(やはしらのみこがみ)が祀られます。

 

そして、17日の山鉾巡行を終えた夕方に、八坂神社の西門前に担ぎ出され、「ほいっと、ほいっと」の掛け声と共に高々と差し上げが行われます。

その後、三基がそれぞれの順路で御旅所へと渡御になります。

これが神幸祭です。

 

 

この日から7日間御旅所に滞在されて、24日の後祭の山鉾巡行の後、また神輿で市中を練って八坂神社までお帰りになるのが、還幸祭です。

 

と、ここまでご説明しましたが、何度も申します通り、今年は神輿渡御も中止です。

 

来年からはまた通常の祇園祭になりますように、疫病退散を真に願います。

 

そして、その折には神輿にも注目して祇園祭をお楽しみください。

 

 

 

  

 

今年は気分だけ祇園祭を味わっております。

 

 

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